
要らぬことばかり覚えているのではないか、と時々不安に駆られることがあります。人混みの中であの人とだけは目が合った気がすること、遠方の恩人とようやく会えたのに大した話もできずそれきりのこと、相手が意を決して発した話を目も合わせず受け流したこと、空気が読めず偉そうに慣れない啖呵を切ったこと、部活の顧問になめた口をきいてひどく怒られたこと。あの場にいたあの人は当時のことなど私のことなどもう忘れてしまったのではないか、あの日のことはもう蒸し返すべきではないのではないか、と意図的にゴミ箱へ放り込んでいる記憶も少なくありません。
「懐かしいです。有楽町のよみうりホールにて。」
Facebookに書き込まれたその一言が記憶をゴミ箱の奥底から拾い上げ、私を10年前に引き戻しました。覚えていてくださったのです、私のことも当時のことも。みるみる記憶が蘇るとともにひどく恥ずかしい気持ちになりましたが、それでもやはり嬉しかったです。
勝手にゴミ箱へ捨てるものではないと思いました。要らぬことばかり覚えているのは、業は深いですが良いことかもしれません。ひょっとして、業は背負えるだけ背負って歩くのが良いのでしょうか。
妹の幼児期の写真に懐かしむより背景の自宅に懐かしさを感じました。いろんな思い出が甦りました。ありがとう。
そうかそんなに妹がかわいいかそうかそうか。