the end of white love





自宅が銀世界になったことはありますか。自宅の前ではありません、自宅の中です。私はあります。ビーズソファの中身をぶちまけたからです。

その大きさは我が家を狭いものにし、その居心地の良さは私の睡眠をしばしば妨げました。持ち帰った仕事をそこですれば、姿勢の悪さに腰を痛めることもありました。それでもビーズソファは私の定位置になり、まさに「ダメになる」なあ、と感心すらしました。

そのうち、毎日疲れが抜けないのはこのソファのせいなのではないか、と考えるようになりました。言葉の通り寝食を共にしたソファが、今となっては諸悪の根源にしか見えなくなっていました。処分することが正義のように思えました。

この頃はとうとうくたびれてきたのか、うまく形状を保つのも難しくなっていましたから、ちょうどいいタイミングだと思いました。私はハサミを持ち出し、作戦を実行に移すことにしたのです。

もちろん、実行の前にはインターネットでさんざん調べました。先人たちが次々と処分に失敗し後悔している話も聞いていましたが、うまくやれば何とかなるんじゃないかと思っていました。

ゴミ袋を開き、隣でビーズソファに穴を開けました。さらさらと水のようにゴミ袋へ流れるビーズの様は順調なように見えましたが、じきに水のように容赦なく氾濫し始めました。ビーズは、開ききっていないゴミ袋からいともたやすく溢れ出て、私の部屋をみるみるうちに白銀の世界に変えました。ビーズをコントロールすることなど、もはや私には不可能でした。

これはソファからの報復なのだと思いました。愛は憎悪に変わると言いますから、甘んじて受けるほかないのだと悟りました。

粛々とビーズをゴミ袋にまとめ続けるうちに、隅々の埃まで集めていることに気がつきました。おおかた片付いた頃には以前より部屋がきれいになっていました。やはりこれでよかったのだ、と思いました。

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