「文学フリマ」に行ってみて感じたのは「そうだ、私は本が嫌いなのだった」ということでした。私自身、すっかり忘れていました。
大学は文学部を出ました。でも、文学史はおろか近現代の作家の代表作すらろくに読んだことがない大学生でした。
何しろ、読むのが遅いのです。理解するまでにうんと時間がかかるのです。登場人物の関係性、さっき出てきた言葉の意味、それらを前のページで確認しながら読んでいて先へ進めるはずがありません。一冊の本を何ヶ月も、それこそ半年近く持ち歩き続けるのが常なのです。いたずらに「本が好き、文学が好き」などと言ってあれやこれや本を薦められても良し悪しの返事すら半年後では会話になりません。
私は「本は読まない、本は嫌い」と言うようになりました。
売り子たちの呼び込みを聞き流し、ひとつひとつのブースを景色のように眺めながら、目に留まった本だけを手に取ってみました。プログラムを見て、見本誌を斜め読みして、またブースを廻りました。1時間半かけてようやく、写真のきれいなレシピ本と、切り絵で作られた漫画を1冊ずつ買いました。
自分のペースで自分の好きな本を見つけるのは、とても難しいし時間がかかるけれど楽しいことだと思いました。それも含めていいのなら、本は好きです。
