炭酸水が2ケース届いた。2階までわざわざ運んでもらってありがたい。一昨日はまさか届くと思わずシャワーを浴びていたもので、一度この2ケースを無駄に運ばせてしまった。配達員には2回分頭を下げた。

昨日は地元から干し芋が届いた。地元はのどかな農村地帯で、特にサツマイモは国内でも3本の指に入る産地だった。ある幼なじみは地元で干し芋屋を営んでいて、しっかりした甘みの干し芋は贔屓目抜きにおいしい。自宅で仕事をする時間が増えた今、仕事を妨げないおやつとしてもぴったりのはねだし品を2袋買った。

仕事用の机と椅子も取り寄せた。机は広くてシンプルで、椅子の座り心地も飽きがこない。こんなに毎日自宅で机に向かう生活は高校以来じゃないだろうか。

仕事を始める前に、この間買った四寸皿に干し芋を取り分ける。袋ごと置いていると一度に食べ尽くしてしまいそうだから。皿もこの間買った。笠間の陶器市に行くのが春の恒例行事だったけれど、今年はそれが叶わなかった。笠間に落とすはずだった予算で好みの皿を何枚か買って、今はお菓子でも何でも盛り付けている。

事務所を兼ねた新居に身を移してひと月半、必要そうなものはあらかた買った。何度となく配達員が我が家を訪ねたけれど、最近ではチャイムの音もずいぶん落ち着いた。

これといった欲求が、もうない。

朝から机に向かってものを書き、眠くなったら昼寝をし、一汁三菜の食事を作り、仕事に飽きたら映画を観る。週に1、2度は駅前のスーパーまで歩き、週に1、2度は何となく思いつきでハイボールを作る。ラジオの時間までに風呂に入り、ひとしきり笑ったら翌日のごみ回収予定を確認して布団に入る。ほどよくスカスカで、ほどよく充実感のある生活が、今はあまりにも楽しい。「どこかに行きたい、何かが欲しい」が脳内を埋め尽くしていた日々が遠い過去のようにさえ感じる。今の私はどうしちゃったんだろうと嘆く反面、あの頃の私はどうかしていたのだ、とも思う。

凪の生活は寂しいようでもあり、安心感もある。この凪を大切に守り抜くべきなのか、荒立てるものを探すべきなのか、それすらも今の私には分からない。かつてない凪の真ん中は束の間の台風の目か、それとも、春の日の大らかな高気圧か。

机の横の南東向きの窓を開ければ風と光が流れ込む。夕方の5時を回ると、ラッパの音が聞こえてくる。あれは豆腐屋なのだろうか。ラッパの音は今一番の関心事だけれど、外を見に行くほどの興味はない。何せ今は凪があまりにも心地良すぎる。

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