
2018年ほど振り返るべき年もないだろうに、振り返るようなことは何もなかった気がしている。
1月にフリーランスとなった。初めは右も左も分からず仕事とあれば何でも引き受けていたが、すぐにそれは間違いだと悟った。センスの合わない会社に無茶振りされたり、業界の作法を知らずこてんぱんに詰められたりするのはいくら収益が得られても消耗としか言いようがなかった。
そういう人たちとはあっという間に疎遠になった。
できることとできないこと、したこととしていないことを率直に伝え、その通りに動くと報酬がもらえた。余計なことばかり考えて役割を抱え込んでも誰にも褒められなかったし、今まで抱え込んでいたものを無責任にさらけ出したほうが安心された。
10年ちょっと働いてようやく知った「仕事」というものは、思っていたよりもずっとシンプルな仕組みでできていた。
知らなかったのは私だけで、世間の人々はとっくに知っていたのだろうか。遠回りをしたのかもしれないが、ようやく知ることのできた今はこの10数年で一番気持ち良く働けている。次はこうしよう、ああなりたいとスキルに欲が出るのも初めての経験だ。
2019年以降、文字を書く仕事以外は引き受けないことにしようと思う。食べるためでも売れるためでもなく、好きなだけ文字を書くために執筆編集業を名乗っているからだ。これまでに頂いているお話は引き続きご一緒させていただくとして、新しいお話は「字を書かないなら」とお断りするつもりでいる。
屋号を「Polaris Typewriter」という。選択肢や優先順位を絞ることのできない私自身に、北極星ただ一つを追うことを課した。大切なものはそういくつもないはずだ。もっとわがままに、もっとシンプルに、大切なものだけを大切にして生きていきたい。生きているその一環として、仕事をしている。