味噌

最近の電車はハイテクだから、ガタンゴトンと言わない。いや言うんだけど、バックトラックに過ぎなくて、基本的にはシューって言う。シュー、フワー、って、中央特快なんか線路を滑ってるみたいに走る。

この間おつかいを頼まれた。八丁味噌を8パック、上白糖を1パック。八丁味噌だから8パックなのかな、とかどうでもいいことを思いながら漬物屋さんの腰の曲がったお母さんに会計をしてもらう。レジはバーコードだからお勘定は間違いないんだけど、お釣りを出すのはお母さんだから、ええと、と言いながら1円余計に差し出してきた。「はーいどうもー」なんて私も愛想良く返事をしてそのまま受け取って帰る。

でもなあ、後でレジのお金が合わないんだろうなあ、うちのレジも1円多くなっちゃうしなあ、途中でちょうど良い募金箱でもあれば入れたけどなあ、でもなあ。やり過ごそうと思えばやり過ごせる程度のおかしな気分が確かに残った。横断歩道を渡れば店に着く。信号は変わらない。

私は漬物屋さんに駆け戻り「お母さん、1円多かった」と1円だけを置いてきた。「あらごめんなさい、忙しいのにすみまs」返事もそこそこに漬物屋さんを出た。気になるのなら、それをして気が済むのなら、すればいい。

うだるような暑さの中、外へ出る。仮眠をとったとはいえ、徹夜明けは体力が足りない。強い日射しが身体を刺す。

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