親子だとか家族だから傷つけ合うことがないかというとまったくそんなことはなくて、水に流せないこともあって、でもそれが押し入れの奥に奥にいって存在を忘れるぐらい手前に次のエピソードを山積み置いているから愛していられるんだなあ。そう思うと、水に流せるエピソードばかりでも、何も残らないんだなあ。
植本一子さんの『かなわない』を読んでいます。日々の小さな棘や陽だまりを見過ごすことなく日々書きためた蓄積の賜物で、昆虫研究のファーブルみたいな、そういう彼女の鋭さを改めて感じています。誰にでも書けそうで誰にも書けない。
