気持ち良く泣かせる芝居は気持ち良く笑わせるものだ。そんな言葉は誰も言っていませんが、落語から学んだことを挙げるとすればひとつは間違いなくそれです。
久々に観たケラリーノ・サンドロヴィッチの芝居は終盤までずっと笑い通しで「しばらく観ないうちに色を変えたのかしら」と思いましたが、最後の最後に呆気なくも残酷な結末を淡々と突きつけてくるものですから、私はやるせなさに涙が止まりませんでした。カーテンコールの間に泣き止むことができるか不安になるほどでした。
大いに笑って、大いに泣いて、とても気持ち良くシアタートラムを去りました。映像の使い方も転換の鮮やかさも、役者陣の表情ひとつひとつを取っても素晴らしい芝居でした。観終えてしまったことがどうしようもなく寂しくて、私にしては珍しくパンフレットを買いました。