公園にて

 職場からちょっと遠くてなかなか行けずにいた友人のカレー屋さんは、数ヶ月前に閉店していました。いつ行っても気さくに迎えてくれた友人の顔を思い出すと、少し申し訳ない気持ちになりました。

さて、お昼に何を食べよう。考えなしに角を曲がってしまいました。しばらくぼんやりしたいと思っていましたので、元気なお弁当屋さんはやめて坂の上の駅のパン屋さんに行きました。

我が家では、菓子パンとコーヒー、簡単なサラダで休日の昼ごはんを済ませることがよくありました。父の好きなメロンパンがないのは残念でしたが、代わりに大きなマフィンとサラダサンド、アイスコーヒーを買ってパン屋さんを出ました。

私はパンの手提げを持って、いつもの公園へ向かいました。首都高から少し離れた、ビルとマンションの谷間にある、小さい公園です。公園を囲むビルやマンションの高さがそのずっと先にある空をさらに遠ざけて、結果的に空の高さをどこよりも感じさせました。雨上がりの公園は、湧き立つ木や土の匂いと高速道路の排ガスの匂いが入り混じっていました。本を読むサラリーマンと、定職に就いていなさそうな若者と、作業着のおじさんがそれぞれ違うベンチに座って、静かな時間を過ごしていました。

この人たちも、きっと話すのが好きではないのだろうな、と思いました。

すっかり雨に散らされた桜の上をひんやりした風が通りました。私はやせ我慢をして、平気な顔で静かにアイスコーヒーをすすりました。

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