端唄を教わっていたことがあります。「梅は咲いたか」は私の親も知るぐらい有名な唄で、よく聞きなじみのある節だったのですぐに気に入りました。勘も悪く、あまり良い唄い手にはなれませんでしたが、この唄は数少ない高座にもよくかけていたと記憶しています。
そうだ、たしか前座でかけた「松竹梅」をお客さま方からたいそう褒めていただいたこともありました。そんなご縁もあって梅は私のトレードマークであり、「梅は咲いたか」は私の出囃子でした。
今も、梅が咲く季節になるとそわそわします。小さくて、地味で、あっという間に華やかな桜に主役の座を奪われてしまう。それがいいんです。
