今日のイベント会場は初めて借りる場所でした。古い雑居ビルで天井が低いわりに内装は凝っていて、コンクリートの打ちっ放しに机や棚の木目が良い抜け感を補っていました。
カーテンやブラインドのない大きな窓が自慢の南向きの一室には午後の日差しがまだ残っていて、これじゃスライドを映しても全然見えないよ、と誰もが口を揃えてぼやきました。管理人の方が「ついこの間まで隣にビルがあったんですけどねえ」と見晴らしの良い窓の外を眺める中、会場を押さえた当人だけが小さくなって「少しプロジェクターを窓から離しましょうか」などと右往左往していました。
私たちのぼやきは杞憂に終わりました。開演の17時にはずいぶんと日が暮れて、スクリーン代わりの真っ白い壁には難なくスライドが表示されたからです。同僚の不慣れな手際が正当化されたようで納得いかない気持ちが残りつつ、イベントが滞りなく進行する様子を見て私たちはほっと胸を撫でおろしました。
今まで気付かなかった日の短さを雑居ビルが教えてくれたことに、何よりも真実味のある秋を感じました。