a card

持ち帰った仕事を片付けようとして、気がつくと寝ていました。いつもちょうど眠りに就くぐらいの時間に目を覚ました私は、罪滅ぼしに積み残しの作業からいそいそと始めました。

昔の名刺を整理している間に、故人の名刺を見つけて手が止まりました。彼女は既に昨年の初めには鬼籍に入っていたようですが、その訃報を知ったのはつい先週末のことでした。

さあ、名刺を捨てるべきか否か。彼女とは一度会ったきりですし、さして深い仲でもありませんでした。会うことも連絡することももう叶わない、使うことのない名刺。

何となく、今日は捨てませんでした。彼女の名刺を元のファイルに戻して、他の名刺を整理し始めました。遣る瀬のない名刺がもう一枚出てきましたが、もう迷うことはなく、しばらく眺めて元の場所にしまいました。

そうこうしているうちに窓が明るくなってきました。昼間の仕事が少し不安になって、私はほんの少し眠ることにしました。こういった遣る瀬のない名刺がこれから増えるのだな、と思い少し気持ちが沈みましたが、すぐに眠ってしまいました。

コメントを残す