マッサージのときの、あの丸い輪になった枕の下に、カメラを置いた人はいないのかしら、と思います。ほら、あの「うつ伏せになってくださ〜い」のときに顔を埋める、息苦しくならないように真ん中に穴の空いた、便座みたいな枕です。
顔がきれいにはまるものじゃないから、ただでさえストッキング相撲みたいな顔になっているのに、さらに身体を押された反動で顔も枕に押し付けられてひしゃげるのです。老いも若きも、男も女もです。
それにしてもマッサージを受けている間の電源の切れ方は尋常ではありません。身体がほぐれると緊張感もほぐれてしまうのだ、肉体と精神は繋がっているのだと自覚せざるを得ません。ほぐれにほぐれて、目は半開き、口元は緩み、よだれがつーっとしたたることも一度や二度ならず、その糸も引かずさらりとこぼれ落ちる私のよだれが口元を離れ枕の輪を抜けてぽたっ、
そこで私はいつも我に返るのです。ああ、ここの輪の下にカメラが置かれていなくてよかった、と心底安堵してきゅっと口を閉じなおすのです。