これはとんでもねえな、というのが率直な感想です。すごいですね、胃カメラというものは。
「鉛筆ぐらいの太さのものを喉に通します」「唾は垂れ流しちゃってください」「げっぷしないでくださいね」と言われ臨んだのですが、だめですね。だめです、鉛筆ぐらいの太さのものを喉に突っ込んでは。食道の弁という弁が拒否しているのをモニターで見ました。自然とえずくし、自分でも聞いたことのないような新種のげっぷが出てきて「私も動物なんだな」と妙に感心しました。唾は飲むとか垂れ流すとか検討の余地もなく溢れていきました。悲しくないのに涙も出ました。
これだけとんでもねえ状況なのに、先生は淡々と「次は胃の奥のほう行きまーす」「ちょっと胃炎になってますねー」と話しかけてきます。傷めるだけ傷めつけておいて理性を忘れさせないところがなお残酷だ、と思いました。
紹介状を書いておきますね、たしかそう先生は言いました。他にも何か言っていたはずですが、放心状態でそれどころではありませんでした。前代未聞の体験をしたことはもとより、自分が動物に過ぎないことを期せずして思い知らされたことに放心状態なのでした。
