朝だというのに「七つの子」を歌うお母さんの姿がありました。からすなぜ鳴くの、からすは山に可愛い七つの子があるからよ。可愛い、可愛いとからすは鳴くの、可愛い、可愛いと鳴くんだよ。
今でこそ歌うのが苦手な私ですが、昔はほんとうに歌の好きな子どもで、暇さえあれば歌っていました。それは四六時中流れていたラジオのせいかもしれませんし、ひと回り上の兄が楽器を嗜んでいたせいかもしれませんが、何より一番初めにあったのは母がたくさんの童謡を聴かせてくれたことだと思います。近くに同世代の子どもがいなかったので、童謡を集めたカセットテープと兄のお下がりの唱歌の本は私の一番の友達でした。擦り切れるまで見聞きし、何度も歌って真似をしました。自分の声で繰り返しカセットテープに録音しては自分で聴いて喜んでいました。
音が少し外れているよ、とクラスメイトに指摘され、途端に歌えなくなった小6のときのことは、また別の話として。
山の古巣へ行ってみてごらん、丸い目をした良い子だよ。朝だというのに、保育園への登園中に、夕方家へ帰る歌を歌ってよいものかしら。少し心配になりましたが、子どもは母の歌など気にも留めず、保育園の中で待つ友達しか眼中にないようでした。
