実家からわずか5分ほどで着く堤防の花火大会ですから家でも見えないことはありませんでしたが、それでも会場に観に行きたいとせがんだのは、年に一度の喧騒を肌で感じたかったのと、サンダルを脱いで家に上がるときのふわふわした感じが好きだったからです。
あれはどういうわけなのでしょう、サンダルでさんざん歩いた後に板の間を踏むと、まるで板の間がウレタンか何かのように柔らかく感じました。板の間が吸い付くような、足の裏の緊張がほぐれる感じがしました。夜遊びの背徳心をつつかれているような、家に「おかえり」と言われているような、妙としか言いようのないふわふわ感。何なのでしょう。
足の裏は第二の心臓だといいます。ツボ押しのからくりはどうなっているのか分かりませんが、あの時私の意思とは関係なく足の裏で思うことが確かにありました。足の裏にはやはり何かを感じ取る別の命が宿っているのではないか、とは私も思います。
