中川という川は、東京都を流れる一級河川でありながら近くを流れる江戸川や荒川の陰に隠れ、あまり目立つことの少ない川です。
昨日、中川のほとりに寝転がって、川と海の違いを考えていました。寝転がっている間も、考えている間も左から右へと水が流れていました。
海とは正面で向き合わないといけない気がします。海を見るとき、私たちはどうしても向き合う姿勢にならざるを得ません。川は、先ほども言ったように、こちらが川を見ても見なくても我関せずといったように左から右、右から左へと勝手に流れます。向こうが何かしてくれるわけでもなく、こちらが何かを差し出すわけでもない。包み込んでくれるなどということも一切なく、ただ淡々と並走するだけなのを、逆に居心地が良いと感じるのは私だけでしょうか。
自分が向けば相手も向かい合ってくれる、自分は愛されている、と思い込んでいる人のなんと多いことか、と思います。私もご多分にもれずその一員ですが、とはいえ川をご覧なさい、あなたのことなど目もくれずにせっせと流れていますよ、と叫びたくなることがあります。
あ、対岸の葦が揺れた。鳥か何かが隠れているのでしょうか。手前を流れる中川を無視して、私は対岸の様子に目を凝らしました。
