いくら寒いとはいえ、あんなに小さくてすぐ溶けてしまう雪のうち、溶けずに積もろうとした最初の一粒は実に見上げたやつだと思います。私が雪なら、あんな小ささで積もれるはずがない、と早々に諦め溶けていたでしょう。
俺は溶けるまいと毅然とした態度で舞い降りたのでしょうか。ちょっともたもたして溶けそびれたところに次の雪が降ってきて、逃げ場がなくなってしまったのでしょうか。はたまた、風のいたずらで物陰の特に寒いところに着地したため溶けられなかったのでしょうか。
今日はここ数日でもとりわけ寒いようです。今日の雪は積もるのでしょうか。「おい、最初の一粒はお前か、いや違うお前か」と私は白い息を吐きながら空を睨んでいます。
