この間観た「アバウト・タイム」という映画はとても面白かったです。大きな事件も大きな挫折もないのに何が面白かったのかと思いましたが、ドラえもんのような話だったことが関係しているのかもしれない、とふと思いました。
21歳の誕生日を迎えるとその家系の男子は過去へタイムトラベルができるようになる。その力を手に入れた主人公は決して器用ではない三枚目。いくつもの失敗を経験するたび、主人公は過去へ戻り同じ場面をやり直す。ほんの一言、ほんのひと振る舞いを修正するだけで、その後の人生が赤にも青にも変わる。まるでのび太がドラえもんの道具の力を借りて友達とやり合うような、そんな物語でした。
著名人が「僕たちは世界を変えることができない」と言うように、「魔法なんて信じない。でも君は信じる」と言うように、私たちはきっと大きなことなんて望んでいないのだ、と時々思います。半径5メートルほどの世界に生きているし、ほんのひとさじが半径5メートルほどの景色を変える、私たちが望んでいるのはその程度の小さな魔法なのではないかな。そう思います。
昨日観た弾き語りライブで、星野源さんがサビ前のワンフレーズを前に一瞬何かを飲み込んだ、あの小さな小さな間合いが私には魔法のように感じられました。すんなり歌っていたら、聴き流していたら、こんな気持ちで翌朝の電車に乗っていないだろうと思います。
