神様、ごめんなさい。親友の縁談が破談になったと聞いて少し安心してしまいました。各所から舞い込んでくる吉報はもちろんどれもうれしいのですが、時に一人取り残されていくようで息が止まる思いでもあったのです。
けれど、慎ましくも喜びを隠しきれない様子で吉報をよこした日の彼女を思い出すとやはり心配になり、すべての予定を取りやめて彼女と会うことにしました。
町屋の駅で待ち合わせをすると、悲しい出来事の後にしてはすっきりと晴れやかな顔をしていました。1ヶ月間続いたいざこざの中、家族や同僚、地元に残る友達にたくさん話を聞いてもらったり慰めてもらったりしたようでした。
悲しい話を蒸し返しても仕方がないので、彼女が話すだけ話したところで都電に乗って巣鴨へ出掛けました。二人で家族に赤いパンツを買ったり、お団子を食べたりしました。ばかみたいな話を飽きるほどしました。
神様、ごめんなさい。この人が幸せでないのはやはりうれしくありません。せっかくこの人は賢いのですから、しょうもないことで頭を抱えることなく、ばかみたいな話を延々していられるような相手と出会わせてあげてください。
