想像をしてみました。
ATMを出たところで電話しているあの女の子と、改札の前で電話しているあの男の子が、同じ一つの通話をしているのだとしたら。たった数十メートルの距離なのに、通りに出れば互いの顔が見えるところにいるのに、電話で通じ合わない会話をしているとしたら。
私の前を足早に歩きながらメールを打っている女性と、その前でスマホばかりに気を取られているサラリーマンが、同じメールを送受信していたら。いくら早足で歩いても距離を縮められないまま、振り返りもせず、辛うじて一定の距離を保ちながら会話をしているとしたら。
ホームで電車を待つあのおじさんとあのおじさんとあのおじさんが一心不乱にスマホをポチポチと打っているのは家へのカエルコールだったりして。送り先は子どもか、はたまた奥さんか。スポーツ新聞を広げているときの下世話な顔とは裏腹に甘い口調のメールを打つのだろうか、うわああ。
東京の街で改めて周りを見渡すと、なんと携帯を見つめて俯いている人が多いことか、と思います。良いとも悪いとも思いませんが、その光景はなかなか奇妙でした。その一つ一つに何かのストーリーが隠れているかもしれない、というのもまた、とても奇妙な感じがしました。
そしてまた、こうしてブログを書いている私も東京の街の一角で携帯に俯く人の一人なのだというのが何よりも奇妙なことだなあ、と思いました。
