生涯学習講座の文化祭でブースの留守番をしている間、子どもたちが磁石で釣りをしているのを見ていました。竹竿の先に磁石が付いていて、釣堀の獲物の磁石をパチン、と吸い付けたら成功というものです。
いつだったか、校外学習でザリガニ釣りに行った日のことを思い出しました。私の田舎はとにかく田んぼが多くて、ザリガニ釣りは誰もが必ず一度は通る道でした。竹竿の先に垂らした糸にスルメを縛りつけ、畦道の水路に落としてザリガニの前でヒョコヒョコ踊らすのです。
釣るだけ釣って、みんな持ってきたかごいっぱいにザリガニを捕まえました。さあ帰ろう。さんさんと照らす太陽の下、もと来た道をみんなでてくてくと帰りました。
くだらないことを喋り歩きながら、ふと踏切の手前で自分のかごを覗きました。ザリガニがいません。一匹も。まったくいません。何ということはない、かごをしっかり閉めなかったためにザリガニがみんな逃げ出してしまったようでした。
取り戻そうにもいつから逃げ出していたのかすらもはや分かりません。途方に暮れ、どうすればいいのか分からなくなった私は大いに泣きました。別にザリガニなんて要らなかったくせに、わんわんと泣きました。
今の子はザリガニ釣りなんてするのかな、竹竿なんて持つのかな。釣りにきゃっきゃとはしゃぐ子どもたちを見ながら、かんかん照りの下でポツンと立ち尽くした自分の姿を思い出していました。あの経験が今何に役立っているのかは、さっぱり分かりません。
