あれ、こんな道だったっけ、と思いました。慣れた道のはずなのに、こんな曲がり方でこんな景色に見えたのは初めてでした。それは私が日頃道をよく見ていないせいなのか、暑さにやられていたせいなのか、分かりませんでした。
どこかで間違えたのかな、まだ続くのかな、このまま進めばいつもの所に出るのかな。
人生かよ。
「ああ。あんた、生活嫌いだもんね」
変わりたい一心で仕事に没頭し過労で倒れた星野源が母に言われた言葉、というのがエッセイを読み終えた今も忘れられません。過労のみならず、人と思いが通じ合わなかったり、近しい人に「何を考えているか分からない」と言われたりしたのは生活=変えたかった日常の自分をないがしろにしてきたせいだと気付いた、と書かれていました。
日常を置き去りにして外のことに無我夢中になっていると、ふとした瞬間に前後不覚になるのだと思いました。どこから歩いてきて、これからどこへ行くつもりなのか。ちゃんと現在位置を確認しておかないと迷子になるし、そんな状態でウロウロしていると行き倒れてしまうのだな、と思いました。
現状かよ。
ずっと先を歩く白いワンピースのお姉さんだけがくっきりと目に映りました。追いかけるように歩くと、道の先にいつものコンビニが見えてきました。
