台北のゲストハウスに宿を借りると、台湾人と香港人が同じ部屋に泊まっていました。私が「台北どころか海外も初めて来た、1日だけ観光したいがどこへ行けばいいか分からない」と言うと、呆れながらもいろいろ知恵を絞り、台湾人が半日ほど観光に付き合ってくれることになりました。
彼女の名はドラと言って、一時北海道で勤めていたそうです。日本語も堪能でしたが、英語で話したいと私が言うと快く引き受けてくれました。時々見かねて日本語で話しかけてきましたが、私は意地でも拙い英語で押し通しました(ごめんねドラ)。
一緒に朝食を食べ、出雲大社のような寺院を参詣し、憲兵のパフォーマンスを見た後に食堂で台湾料理を食べて別れました。憲兵はとてつもない迫力でしたし、甘いマヨネーズも薄いバナナジュースも初めての味でした。寺院では参詣の記念にお守りをもらいました。
いつものように一人で歩けばいいか、昨日まではそう思っていました。けれど海外は日本以上に分からないことが多々あって、ドラがいてくれたことで私はいろいろな話をし、いろいろな体験をすることができました。
連絡先もろくに交換しないまま、「Welcome to Taiwan! Have a nice trip」と言ってドラは街に消えていきました。
一人では生きられないなあ、と最近とみに思います。きっともうドラには会えないから、東京に帰ったらドラと同じように困っている人を助けてあげようと思いました。
ドラえもんと別れたときののび太の気持ちが、今なら少しだけ分かるような気がします。
