いつだったか、瞬くんが私の友達と大喧嘩をした時のことを思い出していました。きっかけが何だったかは忘れましたが、私より瞬くんと付き合いの長かった友達はかんしゃくを起こし「絶交だ」と泣きわめいていました。これはおおごとだ、どうすれば元に戻るのだろう。間に挟まれて困りきった私は「とりあえず謝って」と瞬くんに言いました。何の解決にもなっていなかった。当然、「何で俺が謝らないといけないんだ」と瞬くんは聞く耳を持ちませんでした。私はもう何を言えばいいか分からず黙るほかありませんでした。
記憶はそこまでで、結局仲直りしたのか、あのまま絶交したのかも覚えていません。友達は結婚して遠くへ引っ越し、瞬くんにも家族ができたというので稲毛まで会いに行きました。
瞬くんは結婚してもお父さんになってもさっぱり変わっていませんでした。ベースを弾くときの猫背も、キョロキョロした目も、仲間に優しいところも、甘ったれたところも。久々に見てほっとしたような、彼が大黒柱かと思うと心もとないような。ははは。
瞬くんはあの喧嘩を覚えているかしら。ふと気になりましたが、またあしらいに困るのは御免なので黙っておきました。瞬くんがよいお父さんになりますように、どうかお幸せに。
