こんな真冬にお米を研いでいて指先がツーンと痛くなると、実家の台所を思い出します。母はこれを毎日毎日、数十年間やってきたのだなあ。
幼少の頃、私がする手伝いといえば夕飯のお米を研ぐことぐらいでした。初めは手の腹でゴシゴシと洗って、2度目3度目は掻き回してすすぐだけ。真っ白な研ぎ汁は庭の草木にやるからバケツに残しておく。研ぎ汁がなかなか透き通らないからと何度も研いだり何度もすすいでいると「遊ばない!」なんて怒られたものです。夏は水遊び気分で喜んで手伝うものの、こんな冬の日は重い腰が上がらず、見かねた母がさっさと研いでしまうことがほとんどでした。
食事の支度や家事の一切を自分でするようになった今は、あの頃ほど水の冷たさに嫌気が差すこともなくなりました。それは母のもとでお米を研いでいたあの頃より仕事が粗くなったせいでしょうか、それとも単に手の皮が厚くなっただけなのでしょうか。
ごはんは心身を築くものだから、丁寧に作らなくちゃ。冷たさに負けない母の強さをつくづく尊敬しながら、明日のためにまた冷たい水でお米を研ぐのです。
