待ち侘びた定時を迎え、リュックを背負って道玄坂を駆け下りる。ヒールのあるパンプスで足を挫かないように、細心の注意を払って。あと少し、もう少しだから会場まで走って、走って。
私なりにがんばりましたが、開演からは既に50分が過ぎていました。拭っても拭っても汗が零れ落ちます。もう数曲聴けば終わってしまうであろうライブ。それでもその演奏がその声が、彼らの曲が聴きたくて走ってきたのです。
隣席の人々に頭を下げながら道を掻き分け座席に着くと「後半いきますか」と田中さんが笑いました。
後半は私が好きな曲の連続でした。私が到着したのを見計らったかのように錯覚しましたが、きっと彼らの曲の大半が好きな曲だから何が来てもツボだっただけのことなのでしょう。私が彼らに愛されているのではなくて、私が彼らを愛しているのか。そうか、そうだよな。
それでもあんなに柔らかくふわっと歌いだす「1977」にはどきっとしたし、「Darlin’ from hell」が聴けるとは思わなかったし、「ミスフライハイ」は気が狂いそうだったし、「うわばみ」で鳴ったホームラン音はドンピシャのタイミングで心底気持ちよかったし、「MISOGI」で説法を説かれるなら望むところだと思いました。
余計な力が入っていなくて、なのに肝が据わっていて、それを隠すかのようにおどけて笑う。なんてかっこいいんだ…!
いくら拍手をしても足りませんでした。一夜明けてもなお耳の中で歌が続いているので、今朝はGRAPEVINEを聴きながら出社します。
