地面を引っぺがす、という現代美術作品を観ました。引っぺがす、標準語だと「引き剥がす」が正しいでしょうか。実際の地面を引き剥がす、その作業と過程自体が作品になっている、一種のインスタレーションです。
理科の授業で習ったとおり、土は風や水で運ばれて上に上に積み重なっていきます。するとその時代時代の土が積もり、地層というものができあがります。チェーンを付けて地面をごっそり引き剥がすと、数十cm下層の土が現れます。数十年前の土が、今現在の空気に触れるのです。この引き剥がすまでの一連の作業を、地元に長く住むおじいさんおばあさんの昔話を聞かせてもらいながら行う。という作品です。
とても夢があるなあ、と思いました。小さい頃から庭や畑の土をよく掘り返していましたが、そんな事、想像したこともありませんでした。土と空気で、過去と現在の邂逅を果たす。こういうのをロマンと呼ぶのだろうなあ、と思いました。もしできることなら引っぺがされた土にその心境を尋ねたいけれども、それが叶わないからこそ夢がある。素敵だなあ。
全国各地でこの制作を行っているのだそうです。いつかこの目で見てみたい、いつか作家さんに会ってみたい。アートのことはよく分からないけれど、きっと感動するなあ。
道の端に溜まっている砂を見ながら帰りました。
